院内日誌|志木市柏町で動物病院をお探しの方は、志木いわい動物病院まで

ノミ、マダニ予防

2020年4月30日(木)

本来であれば、だんだんと暖かくなってきてお出かけをする機会も増える季節になってきているはずですが、COVID-19のためお家で過ごす子も増えているのではないでしょうか。

そんな限られた機会でもお散歩を楽しみにしている子達も多いでしょう。

一般的に気温が13℃以上になると虫たちは活動が盛んになると言われており、ノミやダニの感染が心配になるかと思います。

 

ということで、今回はノミやダニの話を少しします。

ノミやダニは外部寄生虫といわれるもので、春から秋、草が生い茂ったところでの感染が多いとされています。

 

まず、ノミですがワンちゃんもネコちゃんもネコノミといわれる種類が主な感染体となります。ワンちゃんに感染するものも多くはネコノミです。

ノミ自体は見つからないことが多く、黒いゴミみたいなものが寝床にパラパラあったり、体からポロポロ落ちる…といった症状から感染を疑うことが多いです。

ノミは感染すると吸血を行います。その際ノミの唾液が体に入るためそれに対するアレルギー反応がおこり、主に腰からお尻にかけて強いかゆみを起こします。もちろんノミが体を這うことでそれに対する痒みも起こります。

ノミの感染はそれ自体が問題になることも多いですが、ノミが媒介する寄生虫が問題になることも多いです。例えば、瓜実条虫などの消化管に寄生する虫ですが、これはヒトにも感染します。特に床などを舐めることが多い赤ちゃんに多いとされています。

治療法は駆虫薬を服用すること、お家の環境の清浄化です。

過去の研究でノミは家の中においてベッドやソファの下などに多く潜り込んでいくことが明らかになっています。そのためお家の子がノミにつかれちゃった場合はそういったところのお掃除もお願いします。

 

次にダニの感染ですが、ワンちゃんネコちゃんがお外で感染するものにはいくつか種類があります。今回はマダニについて話します。

マダニはいろいろな種類がありますが、一般的なものの中にフタトゲチマダニやタカサゴキララマダニなどが挙げられます。

マダニは草むらの中で草の先端でくっつける動物が来ることを待っています。

そのためワンちゃんネコちゃん、タヌキやヒト何にでも感染するリスクはあります。

感染された場合の症状ですが、ダニによる吸血により多数感染した場合は貧血になることもあります。少数では貧血症状になることはあまりないですが、ダニが膨れてくることで、できものができたとの主訴で来院されることもあります。

ダニの感染で重要なことは他の病気を媒介することが挙げられます。

例えば、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、バベシア症などいずれも命に関わることも多いです。特にSFTSはヒト医療でも問題になっていてネコちゃんからヒトへの感染も確認されていて死亡事例も認められています。

治療法は基本的には駆虫薬の服用です。注意点としてダニは吸血するときに頭ごと皮膚に突っ込んで強い力でかじりつきます。そのため無理に取ると頭が残り強い炎症の元となってしまいます。そのため感染されているのを発見したらそのままの状態で来院していただくようお願いいたします。

 

怖いこともいろいろと書いてしまいましたが、お外に出る機会がある子は基本的には予防をお勧めしています。

飲むタイプのお薬、つけるタイプのお薬、いろいろな種類がありますのでご相談ください。