院内日誌|志木市柏町で動物病院をお探しの方は、志木いわい動物病院まで

寒くなってきましたが…

2020年11月30日(月)

早いもので今年も残すところあと1ヶ月となりました。

だんだんと気温も下がり、いよいよ秋から冬へと季節が変わっていっているのを感じます。

体調におかわりはないでしょうか?

 

さて、日本は四季もあり、季節ごとに気をつけなければいけないトラブルがいくつかあります。

例えば初夏から夏にかけては熱中症などが挙げられ、春先から初冬にかけてフィラリア、ノミ、マダニなどの外部寄生虫症などが挙げられるかと思います。

では、寒い冬は??

いくつか考えられますが、今回はネコさんの下部尿路疾患について紹介したいと思います。

下部尿路とはおしっこの通り道の膀胱以降のところを指し、膀胱や尿道などが挙げられます。

一年を通じて、ネコさんは環境の変化に敏感な動物で、部屋の模様替え、お家の周囲での工事の音や見慣れない人の来客などもストレスに感じることがあるようです。

気温や気圧の変化にも敏感に反応し、昔から日本でも 「猫が顔を洗うと雨が降る」と言います。

また、ネコさんは元々砂漠で生活する動物が祖先と言われており、寒い季節は苦手にしていることが多く、日本の童謡でも、「猫はこたつで丸くなる」というぐらいです。

そして、猫さんの下部尿路疾患はストレスが引き金になることも知られています。

そのため、冬の寒い季節はこのトラブルの発症率が高い傾向にあります。

また、高齢のネコさんは7割近くの子が関節炎を持っているとのデータもあり、寒くなるとそこが痛くなりやすいため、あまり動かなくなり、トイレやお水を飲みに行く回数が減ると言います。

では下部尿路疾患とは具体的にどんな症状でしょうか?

代表的な症状としては、少量頻回尿、血尿などが挙げられ、膀胱炎や尿道炎、おしっこの中に結晶成分が出てくる尿石症という診断になることもあります。

尿石症は持続した場合、膀胱の中で結石を作ることにもつながります。

石が作られると、それによる刺激で膀胱炎を引き起こし、また場合によってはその石が尿道に詰まると尿道閉塞という怖い病気につながる可能性があります。

こういったトラブルの予防策としては、お部屋を暖かくしていただくことや何よりお水を飲むことが挙げられます。

ネコさんたちはこだわりが強い子も多いので、「あまりうちの子お水飲まないのよ」という方は、いろいろなサイズ、材質の水入れを準備してみるのもいいかもしれません。

もし、「トイレに入るけどおしっこ出てない」、「おしっこした後のトイレがキラキラしてる」、「おしっこの色が赤茶色い気がする」などありましたら様子を見せていただければ幸いです。

 

これから年末にかけて寒さはより増していくかとは思いますが、お体にお気をつけください。

また、季節の変わり目はワンちゃん、ネコちゃんも体調を崩しやすいと言われてますので変化があればご来院いただくようお願いいたします。