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お耳の話

2018年6月29日(金)

梅雨入り宣言から約一ヶ月が経とうとしてますが、今年はあまり雨が降らないですね。むしろ晴れて夏日となる日が多いように思います。

...と書いていたら、どうやら本日梅雨明け宣言がされたみたいですね!
暑さに負けてないですか?体調はお変わりないでしょうか?

人も動物も季節によってかかえやすいトラブルは異なります。
この時期多いトラブルの一つに皮膚のトラブルがあります。
湿度が高くなると脇の下や股の間、お腹など細菌にとっては住みやすい環境となります。また、垂れ耳の子ももちろんですがその他の子もお耳の中の分泌が盛んになるため外耳炎になりやすい時期でもあります。

そこで、今回は外耳炎のことについて少しお話しします。
まずトラブルの話の前にお耳のことを少し紹介します。
ワンちゃん、ネコちゃんのお耳は大きく分けて外耳、中耳、内耳という3ブロックに分けられます。
鼓膜を境に外側が外耳、内側が中耳、内耳です。
外耳はさらに鼓膜から続く水平耳道、出口に向かう垂直耳道に分けられます。また、翼のような耳介も外耳に含まれます。
外耳炎とは一言で言ってもそれらのいずれかの場所、もしくは全ての場所で起こっているものを総称して外耳炎と言います。

さて、外耳炎はどんなトラブルでしょう?
外傷や感染、異物など原因としてはいろいろと考えられます。おしなべていえることはいずれの原因であっても痒みや痛みを伴うトラブルだということです。
また、慢性の経過をたどると重症な子だと耳の中が潰れてしまい中耳や内耳といった頭の中のトラブルにつながる可能性もあります。
ここまで読むと怖いトラブルのように思ってしまいますが、適切に対処してあげるとそういった状態になることは多くありません。
ただし、アトピーや脂漏症などの体質や甲状腺機能低下症などの持病により治りにくい子、再発しやすい子がいるのも事実です。その場合はそういった治りにくい背景に隠れているトラブルのケアを一緒に行っていきます。

治療としては洗浄によりたまった耳垢を排出させ、炎症が強い場合などは炎症を抑えるお薬の点耳ないし内服を行います。

内服の服用もですが、点耳は特にお家の方の協力が必要となります。もし普段オヤツなどをあげているようでしたらこういった処置の後は褒め倒し、ご褒美をあげていただけたらと思います。ただ、どうしてもお耳を触られるのが苦手な子もいます。その場合は無理をせずお気軽にスタッフにご相談下さい。

最後につい先日の話ですが、当院もビデオオトスコープを導入致しました。今まではなかなかできなかった耳道内のポリープの処置や鼓膜手前、中耳などの洗浄および処置が可能となりました。少しでもお耳にお困りのワンちゃん、ネコちゃんの助けになれたらと思います。